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ねこぶっ!!

《第捌話 豪華賞品と猫部の後日談と》 1




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「ふむ。どうしたものか」
サバゲーから、日にちは変わらずの部活動。忍先輩と僕は悩んでいた。
「どうしましょうね。“コレ”」 
忍先輩と僕の悩みのタネは、目の前でメタリックな輝きを放ち聳える“山”であった。

寝ぼけたまま僕は学校に臨んだ。朝からずっと、高志がブツブツと僕に話しかけてきたが、眠いので完全スルーな方向で。誘拐されたとか何とか言ってたけど、高志は根本的にバカなので気にするほどではない。
ほとんど寝ながら乗り切った授業を終え、僕は部室へと向かった。途中、歩きながら意識を失い、壁やらにぶつかった。まだ、人にぶつからなかっただけ幸いだが、変わりに白い目で見られていたのは間違いないだろう。一番、危険というかヤバかったのは、間違って女子更衣室の戸を開けてしまったことだ。ベターだと思うかもしれないが、朦朧とした意識の中ではマジで起こりうるから恐怖。これはさすがに目が覚めた。開けた瞬間の悲鳴やら何やらは、一生もののトラウマになった。しかも、運が悪く先輩の女子生徒だった所為か、引き込まれてリンチを受けそうになった。光景は天国だが、実態は地獄だ。必死で腕を振りほどいたときは、一心不乱に逃げた。あぁ、明日から変なうわさとか立つんだろうな……へこむ。
部室に着くと、すでに忍先輩は居て、お茶を飲んで休憩していた。最初はどうも、“あのこと”があった所為か、まともに顔を合わせられなかった。だけども、忍先輩のほうは涼しい顔をして、あたかも、何も無かったかのように振舞っていた。その内、僕のほうもいつも通りへと戻っていった。昨日のことは昨日こと、そう割り切らなければこの先、猫部でやっていけそうな気がしないので、そうすることにした。
それから、僕が平静を取り戻してすぐのことだった。
「猫部様。生徒会より、今回、第33回生徒会主催サバイバルゲームにて優勝されましたので豪華賞品をお持ちしました」
そう言って、生徒会の執行部である男子生徒と、同じく女子生徒が部室へと入ってきた。
「中へ」
そう最初に入ってきたのは最奈だった。そして、ガタゴトと音を立てて布に覆われた“何か”を積んだカートが運び込まれた。
「姫之は来ていないのか?」
「皇后崎会長は、身体的な諸事情により、来ていませんね」
「来る気は?」
「恐らくですが、死ぬほど来たかったと思います」
「そうか、ヤツは少し早くイったか」
「えぇ、そのようです。それとですが、察してらっしゃると思いますが今回は本当に、ご迷惑をおかけしました」
「いや、気にするな」
「ありがとうございます」
 すると、くるりと最奈は僕のほうへと体の向きを変え、話し掛けてきた。
「空真。お前にも迷惑を掛けたな」
「そんなことないよ。いろいろあったけど、楽しかったし…?」
「語尾が疑問系だぞ。それより、用事があってな。本番には立ち会えなかったのだが、どんな感じだった?」
 どんな感じと言われてもなぁ。最奈が立ち会わずにいてくれたことが幸いだったことぐらいしか。
「まぁ、いろいろ衝撃的ではあったよ…」
「…空真」
 最奈は不意に僕の頬に手を添え、顔を近づけてくる。なっなにごと!?
「顔に傷があるじゃないか。ほかに怪我はしていないのか?」
「う、うん…」
 顔、近いよ。最奈が綺麗な顔立ちしてるのと、昨日のアレと重なってみるみると自分の顔が赤くなっていくのが分かる。
「そうか…それならよかった」
最後に最奈は一言「それでは」と言い、ほかの人と帰っていった。
「先輩と最奈がさっき交わしてた、なにやら意味ありげな会話は無視して。来ましたねっ、豪華賞品」
 期待度MAX。
「そうだな。それじゃ、空真。その布を取ってくれ」
「はい」
バサリと剥ぎ取った布の下から現れたのは、缶の山だった。
「え?」
「ふむ…」
驚いている僕を放置し、忍先輩は缶の一つを手に取った。
「これは“猫缶”だな」
「えっ?」
ますます、えっ? である。
「どうやら、今回の豪華賞品というのは“高級猫缶”のことだったようだな」
開いた口が塞がらない。意味が分からない。どうして猫缶。誰が欲しいんだよ。さすがの猫部も要らないよ。というか、完全に僕ら以外は意味を成さない賞品じゃないか。
「こんなに要らないですね」
 話には聞いていたが、なんと微妙に的を外してきたな。
「確かに、いくつかストックという量ではないな。コレは……あやつめ、そういうことか」
カートの上にあるとはいえ、忍先輩の背を遥かに越え積まれている猫缶。ざっと見た感じでは百個以上はある。マジ、どうするよコレ?
「どちらにせよ、我々が頂くわけではないから問題はないだろう……」
「そっそういえば、そうでしたね。それじゃ、早速、渡しちゃいましょうよ」
「そう言いたいのだが……」
「どうしたんですか?」
「依頼主の彼女が居ないのだよ」
ふぇっ? 依頼主が居ない。どゆこと?
「居ないって、どうゆうことなんですか?」
「ふむ。よくよく考えてみれば、私としたことが彼女の名前などを聞きそびれていたのだよ。普段は生徒会を通していたからな。空真は聞いたか?」
「いっいえ……」
「だろう? それで生徒会に頼んで、一年生の顔写真と所属クラスの名簿を借りたのだが……」
「よくできましたね、そんなこと…それで、どうしたんですか?」
「彼女の顔が無い。一年生に彼女の姿が無かったのだ。一応、ほかの学年のも借りたのだが、同じ結果だったというわけだ。姫之にも問い詰めてみたが、彼女が依頼をしに来たから我々を紹介しただけとしか」
「あれ、でも最初。生徒会には話を通さないで的なこと言ってませんでした?」
「あぁ、だから困っているのだ。彼女が何を考えていたのか、そして何をしたかったのか、まったく理解できん」
しかしながら、今はそんなことではない。
「これ、どうするんだ?」

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