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ねこぶっ!!

《第参話 黒猫とパンドラと》 1




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 いわばトラウマという名の一生傷を胸に抱えることとのなった定期報告から数日。ひびの入ったハートはとりあえず、絆創膏を張って応急処置がなされている。それはそれで重大だが、それ以上に重大なことが起きた。もちろん、主演:忍先輩。黒子:僕という役回りでの出来事である。
 それは僕が部活動のため、いつものように旧校舎にある部室へと赴いた際の出来事だ。まぁ、そもそも部活動といっても、前にも言ったとおり撮影会はそう頻繁にあるものじゃない。そう頻繁にあっては困るのだけど…。それはさておき、日ごろの部活動はこれといったものは特に決まっていない。のんびりとお茶などを飲みながら過ごすのだ。僕としてはそれこそが至福の時なので、ちゃんと部活に参加しているというわけ。
 時に、この旧校舎を利用しているのは何を隠そう――隠すほどでもないが――僕ら猫部のみ。これも又、忍先輩が生徒会に働きかけることによって、なしえたことである。なんでも、あの姫之先輩と取引しているらしい。取引内容が気になるところだが、あまり首を突っ込みすぎると、突っ込んだ首が落とされかねないので自重しておこう。
 我が猫部において、他の部活動とは少し違っている部分が大きく見るともう一つある。それは部費だ。通常は、この前の定期報告など、実績に応じて部費が変動し、生徒会より支給されているが、猫部はそういった制度に組み込まれていない。部なのか同好会なのか分からない怪しい団体というが一番の理由で、次に姫之会長が忍先輩にこれまた取引をしているというのがもう一つの理由だ。
 忍先輩は猫部を所属している一方で、他の様々なクラブの学園公認助っ人として、時折出張している。運動神経が学園でも指折りで、猫部の存在を知らない人は勧誘してくるほど。更には驚くべきは要領の良さというか適応力。あまりしたことのない競技でも、数日の手ほどきを受ければ、大概こなしてしまうらしい。たまに経験者よりも上達してしまうという噂もでるほど。夏の大会シーズンなどはほとんどの運動系の部活から声がかかってきて、忍先輩の気分により獲得できるか変わるとのこと。
 さて、随分と話が逸れてしまったが、そんな話はさておき。重大な出来事、もとい事件とでも言えるだろう。
 その事件は恐ろしいことに二日連続で起こったのだ。何が恐ろしいかは、勿論、ありえるはずがないからだ。

 一日目。
 運悪く、先生にゴミだしの任を押し付けられ、時間を取られた。待っているだろう忍先輩のことを考え、足早に旧校舎へと向かった。半ば朽ちかけた玄関をくぐり、校舎内へと入る。ここでは速度を落として、ゆっくりと歩く。前に走っていたら底が抜けて大変な思いをした。あの時は、忍先輩に見つけてもらえなければ、意図せず妖怪てけてけになっているところだった。
 最上階にある部室に着く。礼節的な意味合いでのノック。そして入室。
 おお!?
 最初、見たときは声が出ずに、いろいろな思考が巡りに巡るわ。それで最初に出た言葉が、
「どうしたんですか!?」
 立て付けの悪い部室のドアの向こうには、恍惚の表情を浮かべている忍先輩とその膝に寝転ぶ“猫”!!!
 こちらに気づいた忍先輩は、あくまで膝上の猫に気を使いつつ、僕にあらんばかりの笑顔と興奮をぶつけてきた。しかし、あくまで声を極限まで押し殺して。
「kkう、くう、空真。ここ、これを見てみ…£З〇×ЗзЯз‘€3」
 いや、忍先輩は声を押し殺すどころか、声を一言も発しなかった。なぜか、プラカードで意思疎通を図ってきた。
「忍先輩、ちょ、ちょっと落ち着いて下さい。文字化けしますって、しかも何か、の○太の眼鏡脱時みたいなのがめっちゃあるんですけど!」
「空真、少し間違っているぞ。最後の文字はれっきとした数字の3だ。それに最近の、の○太君は眼鏡脱時も、結構綺麗な目をしているぞ。それと、私は前の声優さんのほうが好きだ」
 今度は、ちゃんと声による意思疎通が行われた。
「いいですよ、そんなとこだけ冷静にならないでください。ちなみに、僕も前のほうが声はいいような気がします。それより、どうしたんですかソレ?」
 そう僕が聞きたいのは、何を隠そうこの猫の存在についてなのだ。前にも言ったし、定期報告では現象として起きたことだが、忍先輩は生きた猫に嫌われる傾向にある。それは、僕自身も幾度となく目撃していたから、間違いはない。それだというのに、今現在、猫が膝の上で寝ている。僕ですら信じれないし、目を疑うような光景なのだ。当事者である忍先輩が平常心を保っていられる道理が、どこにあるというのだろうか。そうでなければ、の○太君がどうとか、こんな意味解らないことを力説するようなことは、冷静な普段では決して考えられない。
「よくは分からんが、私が部室に来たときには既に居て、いつも通り近づいたらこのような状態になったのだ」
 少し冷静に戻ってくれたらしい。まぁ部室の鍵は、僕が入部した時には、すでに粉砕していたから勝手に入ってくるのは考えられるな。前には野良犬が侵入して、猫のぬいぐるみが捕食され、怒った忍先輩が木刀片手に追い掛け回したということもあったほどし。それにしても、いつも通りに近づいて、よくもまあこの猫はおとなしく、それも懐いてきたものだ。正直、猫に嫌われるという点では少し、忍先輩にも非があるといえばある。先輩の猫への近づき方、そして面持ちの面妖さといえば、鬼をもビビラせ、泣く子を更に泣かせるほどの代物だからだ。ちなみに、それがどんな感じかは猫部にのみが知りえることのできる、企業機密だ。そしてそれを知ってしまったものは次々に姿を消していく……なんてことはない、が知って得はあまりないと言えるだろう。
「それにしても、良かったですね。初めてじゃないですか、こんなこと?」
「あぁ、そうなのだ。空真、すまないが今日の撮影会は無しだ。残念だが、今日は無理そうだ」
「えっそうなんですか、残念です……じゃない!! というか、今日もやるつもりだったんですか!?」
 危うく、僕が撮影会を楽しみにしているみたいになるとこだった。それより、
助かったあ。
 猫ありがとう。できることならば、一生此処に居てくれないか。そうすれば、忍先輩による危険過ぎ(デンジャー)な撮影会は行われることがなくなるだろう。
 ああ、黒猫だけど。今は純白の天使に見えてくるよう。
 この日の部活動の内容は、極限まで猫と触れ合うでのみで終了した。その極限さ故に、後半の猫はそこはかとなくだが、やつれた顔をしていた気がする。よくぞ逃げずに耐えてくれた。再三言うが、ありがとう。
 そして、忘れそうになったが、翌日にもとある出来事があった。規模でいうと、前日の猫襲来事件よりは小さいものの、“猫部”としてはそれなりに日常を逸脱しているだろう。なんせ、二日連続で訪問者が現れたのだから。

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